会社員のための雑学ハック

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しくじり先生「松本明子」の神回!放送禁止用語と衝撃の「自己中心的な」性格

また、しくじり先生から神回が生まれた

 松本明子がしくじり先生となって、過去の失敗を語った2016年1月25日放送回が神回だった。有名な放送に不適切な用語を叫んだ事件と、その背景について語った。

 

 この番組の面白い所は、事件単体を語るのではなく、その背景と人間性まで振り返って本人よりプレゼンテーションをして、また生徒達のリアクションが秀逸であることだ。

 

 そんな松本明子の放送回について、まとめてみたい。ただ、放送を見た方がより面白いことは明記しておきたい。DVD化、もしくは再放送でこのエントリーを読んで興味が出た方は見た方が何倍も面白いのが、このしくじり先生の面白い所だ。

 

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松本明子の性格「非常に自己中心的」

放送禁止用語を叫んだ理由は「自己中心的であったからだ」と語る

 1984年の「オールナイトフジ」・「鶴光のオールナイトニッポン」の記念番組にて、絶対に放送では言ってはいけない、「おま」から始まる「四文字事件」をおこしてしまい、一時芸能界から干されたという彼女。

 ここまでの話であれば、よくテレビの話題にはのぼっており、面白いがそんなこともあったなという感想を抱いた。

 ただ、面白かったのは彼女が「なぜその言葉を発してしまったか」であった。

 

 彼女は、しくじり先生内で「よかれと思ってやってしまった」行動であったが、その裏には「自己中心的な性格」が災いしてこのような行動に至ったと語った。

 

自己中心的な人間が「しくじる」メカニズム

 自分が中心的な考え方を彼女自身がするとした上で、なぜ失敗してしまうのかを解説していた。

 

なぜ自己中は失敗するのか?メカニズムとは
  1. 他人のためにと行動
  2. 他人の気持ちがわからないから求められている事とズレる
  3. 相手にとって大迷惑=しくじり

 と解説していた。自分の周りに当てはめても、痛い...確かにこの様な人がいる。普段の松本を知る、あき竹城もこれには賛同していた。つまり、自己中=KYとしており、なぜ怒っているかわかっていないので相手も怒り損であり、徐々に孤立する傾向にあるという。

 

 このような自己中心的な性格が災いしてデビューから1年も経っていない松本明子は芸能界から干されたという。

 

松本明子の自己中心的な性格と衝撃のエピソードとは?

 これだけでは終わらない所がこの番組の面白い所で、ここからは「自己中心的な性格」を切り口にエピソードを紹介している。

 

  • 極貧生活下での先輩の物を売っていたエピソード
  • バラエティタレントとして体当たりで番組に挑むようになる(ゴキブリを食べる)
  • 電波少年のMCとして抜擢され、滅茶苦茶な企画を行う
  • 紅白歌合戦に乱入し、勝手に放送に映ってしまう
  • 久保田利伸のファンクラブで勝手にスタッフとして働くようになる
  • 結婚相手とは会った日に相手の実家に押し掛けて交際を始める
  • 息子が好き過ぎて、息子を舐める

など衝撃の自己中心的なエピソードが披露された今回は間違いなく神回だった。

 

息子が好きすぎる松本明子の奇行とは?

 「寝ている息子を舐めた」としている彼女。トップギアすぎてついていけなかった。他にも奇行が様々あるようだった。

思春期の息子への愛情ごり押し内容
  • 隙あらばすぐに抱きしめてあげる
  • 顔を見る度に「好きだよ」「愛してるよ」「頑張ってね」「大丈夫?」と言う
  • お風呂に入っていたら嫌がっても一緒に入ってあげる
  • 部活から帰ってくると全身をしつこくマッサージ

と、自分の母親にされたら2週間は寝込んでしまうほどの脂っこさだ。

 

そして、愛情が行き過ぎてしまい、「触るな」と言われてしまった彼女は「寝ている息子を舐める」という行動に出たという。舐めると体調が分かるまで、息子舐めの技術は発達したようだ。

 

自己中心的な行動を改めた結果、息子からの手紙

 3年間、最愛の息子から完全に無視をされるようになった彼女は、それをきっかけに自分の性格を改めるようになったようだ。

 例えば、GPSでの位置の確認や、息子のカバンの整理整頓を勝手にしていたこと、頼まれていない塾の送り迎えなどをやめ、子供への接し方を改めた彼女は、息子から「ありがとう」の手紙を貰えるまでに関係性が修復したという。

 

 子供が「親にしてくれる」という言葉はよく聞くが、彼女は行き過ぎていて、当てはまらない気がする。他のエピソードもそうだが、息子に関しては特に、ぶっ飛び具合が面白すぎた。

 

なぜ、しくじってしまったか?を掘り下げる「しくじり先生

 いつもながら、作り方の丁寧さとプレゼンテーションの順番や構成は勉強させられる。また生徒役のオードリー若林をはじめとした芸能人達のリアクションが視聴者側に立っており、生徒役のガヤに共感しながら、先生役への興味を持たせるような作りがいつも面白い。

 今回のように、1つの事件だけではなく「なぜ、そのような失敗」をしたかを紹介し、そこからエピソードに繋げていく作りは、仕事にも活かせる上質なプレゼンテーションであるだろう。ああ、おもしろかった。

 

 <この記事を読んでいただいた方にはこちらもオススメです>

有名な経済学者が語る「安くて美味しいレストランの探し方」とは?

「世界の思想家トップ100」コーエン氏の美味しいレストランの選び方

 2011年のForeign Policy誌が選ぶ「世界の思想家トップ100」にランクインした、経済学者タイラー・コーエン氏が提唱する、美味しいレストランの選び方、探し方が非常に面白く、為になった。

 

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安くてうまいレストランは正義でしょ!

 彼は食に精通しており75カ国以上を旅して、美味しいレストランを探し、各国のレストランで食した人物である。著名な経済学者である彼が提唱するオススメのレストランはコストや経済学という観点からも見ており、高級料理店のみをオススメしている訳ではない点が、他のグルメ評論家達とひと味違って面白い。

 

 この記事はコーエン教授の著書「エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学」を元に考察している。美味しいという表現は美味しいだけでなく「安くて美味しい」という意味を含んでいる。

 

1:内部相互補助という概念を理解する

なぜ病院のご飯は不味く、カジノのご飯は美味しいのか?

 経済学的に見て、病院の食堂とカジノのレストランの味の違いは内部相互補助の観点から語れるという。

一企業内において,ある部門が他の部門を補助している関係にあることをいう。たとえば鉄道業において,旅客部門は原価以上に運賃を課し,貨物部門では原価を割って運賃を課し,旅客部門の超過利潤で貨物の赤字を埋めている場合,「旅客は貨物を内部補助している」という。

 

引用:内部相互補助(ないぶそうごほじょ)とは - コトバンク

 病院の食堂が味が良くても、患者が増える訳ではなく、家族や関係者の出入りは一定数期待できるため、味にコストをかける必要はなく、サービスの追求もほとんどされることはないという。一方で、カジノであればレストラン目当ての客を望むことができ、レストランのクオリティが高ければ、カジノの方も利益を出すことが出来る。故に、病院よりもカジノの方がレストラン(食堂)の味のクオリティが高いことが多いという。

 

 どこにコストがかかっており、どこに原価以上もしくは原価ぎりぎりのサービスを提供しているかという観点からも、互内部補助を気にすることによって、良いレストランを見つけるヒントがあるだろう。

 

 

2:賃金の高い客層が近くにいる賃料の安い地区を探し出す

 賃料はレストランにとって、当然のことながらコストになる。このコストは料理・ドリンク・チャージ料によってまかなわれる。コストが価格へと反映されるため、賃料の安い地区のレストランを選ぶことは合理的である。

 

 また裕福な客層は要求水準も高く、それらを狙ったレストランへ行くことで低コストで高パフォーマンスが期待できるレストランを選ぶことが出来る可能性が高いという。

 それだけでなく、例えば他の客で割高なドリンクなどを頼む人達が多ければ、割高である酒を飲まない美食家達は比較的低コストで高いサービスを受けることができる。

 

美食家タイプにとって、金持ちと近視眼的な人々は、友であり支援者でもある

 

 とあるように、他の客が利益が出やすい商品を買えば買う程、美食家たちはコストが低く、高水準のサービスにありつける。(レストランが利益を還元すればだが)

 

人口密集度の高い日本では簡単に応用できないが・・・

 ただ、これはアメリカの経済学者がいうことであり、人口密集度が高い日本において、すべて応用できる訳ではないだろう。東京であれば賃料が安いといっても、他の地域と比較するとやはり高水準であるため、東京の賃料の地域差はそれほど無いかもしれない。

地方のはずれのレストランは狙い目?

 しかし、都市圏以外の地域には当てはまるだろう。例えば、観光地の少し外れにあるようなレストランは狙い目かも知れない。

 例えば、現在の食べログで全国2位の「柳家」は市街地から車で30分以上かかる場所にあるという。

 サプライズ効果もあるだろうが、賃料やその他が市街地に比べると低く、価格に転嫁されにくい点からも、CPが良いのかも知れない。

 

 

3:食にプライドを持っている人々に聞く

 人に聞くのは、美味しいレストランへの一番の近道かも知れない。この本では具体的にどのような人々が有益な情報を持っているかを記載している。

 

有益な情報を持っている人々とは?

  1. 35歳から55歳の人
  2. 金銭的にに余裕のあるひとか、中流階級の人
  3. 安くて美味しい地元の店に関しては、消防士に聞く
  4. タクシーの運転手・地域のセールスマンも有力な情報源である

 この具体性が面白い。確かに、食に詳しい人は中年かそれ以上であり、上流階級の人々は高級店の利用が多いため、中流階級の人々に聞くのが良いだろう。それよりも面白いのが「消防士」という観点だ。確かに地元に密着しており、外食も勤務体系から多いだろう。この思いつきはなかった。美味しい居酒屋なども知っていそうだ。友人に消防士が多い人は、是非聞いてみて欲しい。

 

 

4:ネットでのレストランの検索方法は、発展させるキーワード

 例えば、群馬県で美味しいレストランを検索する時には「群馬県 美味しい レストラン」で検索するよりも、一歩進んだ検索が美味しいレストランを探すコツだと言う。

 

「美味しいレストラン」ではなく「美味しいキーマカレー」のように限定する

 具体的にはジャンルを区切ることが重要である。「群馬県 美味しい インド料理」の方がより精度が高く、より精度の高いのは「群馬県 美味しい ナン」といったように、ジャンル料理から具体的な料理名・材料名へと発展させたキーワードを入れる方法を推奨している。

 

 

5:高級レストランで何を注文すべきか?オススメの注文法

 事業で推測する、地域で推測する、誰に聞くか、ネットでどのように調べるか、を今まで記載したが、最後に「何を注文するのが良いか」を推奨していた。

  高級レストランで推奨されているのは、注意点はあるものの「見た目が悪いもの、未知のものを注文せよ」とのことであった。理由は高級レストランであれば、メニュー一品一品へのこだわりが特に強く、見た目が悪いものがメニューに入っていることから考えて、見た目は悪くても味に自信があると考えることができるという。また、未知のものは店主のこだわりが強く、これも味に期待ができる一品であることが多いというのだ。

 一般的に人気メニューはドリンクで利益を取らない場合の、利益確保メニューとなっていることも多いかもしれない。あまり人が選ばなそうなのにメニューにあるという点が美味しい料理への辿り着き方だという。

 

 

6:新規開業店へはいつ行くべきか?

 開店から4~6ヶ月以内に一度行ってみることを推奨している。新規店であれば、開店当初はオーナー自ら料理をすることが多く、開店すぐに行くことでクオリティの高い料理に辿り着くことが出来るという。

 ただし、 最初の2週間は厨房の手順調整などが行われるので避けることを推奨している。開店2週間以上で6ヶ月以内の新店は期待できるという。

 

<今回紹介した本はこちらです>

エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学

エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学

 

 

 

<こちらも同書についての記事です。一度見ていただけると嬉しいです>

 

75カ国を旅した経済学者が「最高」と評した東京のレストランとは?

アメリカの経済学者から見た「日本の外食産業と最高のレストラン」

 2015年12月25日に日本訳が発売された「エコノミストの昼ごはんーコーエン教授のグルメ経済学」が非常に面白かった。

 そもそもコーエン教授とは、アメリカの経済学者でエコノミスト誌が実施したアンケートによると「最も影響力のある経済学者」の一人であり、フォーリン・ポリシー誌が選ぶ「世界の思想家トップ100」にも選ばれた著名人だと言う。

 

経済学的な外食学本としても、実用書としても活用できる本

 美味しいレストランの探し方から、海外の外食事情、外食の発展とそれによる障害など、様々な観点からグルメを考察している。

 その中でも、「日本の外食」についての記載が非常に面白かったので、引用・考察してみたい。引用部分はすべて同書からのものである。

 

 

日本の外食事情は「専門性、水準が高い」

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 基本的にはこのコーエン教授、日本びいきである。日本の外食は何を食べても基本的にはハズレはないとしており、唯一同書の中で苦言を呈しているのは、トマトソースの代わりにケチャップがかかった麺(おそらくナポリタンのことだろう)だけである。ナポリタン超ウマいけどな。

 

 教授は他の人と食べ物の話題になると「どこか一箇所しか選べないのだとしたら、日本を選ぶべきだ」と言うという。他にはインド、シンガポール、イタリアも気に入っている。という程の「日本の外食に惹かれている」教授である。

 一方、 祖国であるアメリカの食べ物のクオリティが低いことを日本語版の序文で謝罪しているのも面白い。

 

 

東京のレストランの特徴「専門性、模倣性、クオリティが高い」

 外食産業を含めた日本経済の供給面では、専門化を重視する見方が根強い。日本料理に関して、東京のレストランはほとんどハズレがない。なぜなら、日本の客は好みがうるさく、要求水準が高い。
 
 日本にいる私は気付かなかったが、教授が言うには、日本の外食産業は専門性が非常に高いという。天ぷら店や寿司店などアメリカではひとまとめに「日本食レストラン」とされるようなものではなく、東京は人口密度が高く子弟制度などの影響もあり、人材の流動性が低いため、職人の専門性が高く、細分化された店舗が多いことが日本外食産業の特徴としている。(チェーン店は除かれるが)
 
 また、エスニック料理も本場の味の再現度は世界で一番高いと評しており、海外の料理がほとんど全て食べられるのも日本の素晴らしい点だとしている。
 
 

コーエン教授がオススメする日本のレストランとは?

日本で豪勢に食べるなら「フランス・イタリア・中華料理」

東京で豪勢な食事をするなら、日本料理は避けた方がよい。おすすめはフランス料理、イタリア料理、中華料理。
 ここはビックリした。東京で飯を食うのに、日本食を除くとは何事だと思ったが、その理由も経済学者っぽくて面白かった。
 
 

東京で日本料理を食べるのを薦めない理由

 日本料理が除外されているのは東京における日本料理店は安価でも水準が高く、高価な日本料理と安価な日本料理の差は他と比べると小さいためとしている。また海外で話題になっているのは居酒屋であるらしい。賑やかでステキな雰囲気でメニューが楽しく、安価で好きなものを好きなだけ食べられるとしている。
 
 

「最高」と評した日本のレストラン「ピエール・ガニェール」

 75カ国以上旅したコーエン教授が「最高」であると評したレストランが東京にある。 これまでの人生で食事をした中で最高のレストランとも書いたのが「ピエール・ガニョエール」だ。

  日本のレストランで最高とするのは、寿司屋などの日本食店だと思ったが、意外にもフランス料理店であった。

 

味、独創性、サービスのクオリティがヨーロッパで食べたあらゆる高級料理を超えていた

 
 とべた褒め。ミシュランでも2つ星を取ったレストランがこの「ピエール・ガニョエール」。日本では200ドルだが、ヨーロッパなら300ドルのレベルだと、コストパフォーマンスからも絶賛している。
 
 恐らく2つ星獲得から見て、

 この店舗であろうと思う。食べログでも高評価のレビューが多い。

 

 こういったブログの後半では、実際にこの店に行ってみて「これはおいしい!」と締めくくるのが正しい終わり方であることは重々承知している。

 しかし、貯金が無い私にはそのような贅沢は出来ない。ステマどころか、店の存在すら知らない。絶賛しているが、フランス料理自体ほとんど食べたことないし、責任は持てないが、

 
 コーエン教授は
今日、世界で一番美味しいフランス料理が食べられるのは、ひょっとしたら日本なのかもしれない。
ともしている。よっぽど美味しいところなんだろう。お金持っている人、誰か行ってみてください。通帳見て、テンションが下がったので以上です
 
エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学

エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学