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会社員のための雑学ハック

Web・末端会社員としての働き方・経済・文化等、「半径3m以内の事」を考えるブログです。ー雑学:多方面にわたるまとまりのない知識や学問。また、学問とは関係のない雑多な知識。

有名な経済学者が語る「安くて美味しいレストランの探し方」とは?

テレビ・芸能人

「世界の思想家トップ100」コーエン氏の美味しいレストランの選び方

 2011年のForeign Policy誌が選ぶ「世界の思想家トップ100」にランクインした、経済学者タイラー・コーエン氏が提唱する、美味しいレストランの選び方、探し方が非常に面白く、為になった。

 

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安くてうまいレストランは正義でしょ!

 彼は食に精通しており75カ国以上を旅して、美味しいレストランを探し、各国のレストランで食した人物である。著名な経済学者である彼が提唱するオススメのレストランはコストや経済学という観点からも見ており、高級料理店のみをオススメしている訳ではない点が、他のグルメ評論家達とひと味違って面白い。

 

 この記事はコーエン教授の著書「エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学」を元に考察している。美味しいという表現は美味しいだけでなく「安くて美味しい」という意味を含んでいる。

 

1:内部相互補助という概念を理解する

なぜ病院のご飯は不味く、カジノのご飯は美味しいのか?

 経済学的に見て、病院の食堂とカジノのレストランの味の違いは内部相互補助の観点から語れるという。

一企業内において,ある部門が他の部門を補助している関係にあることをいう。たとえば鉄道業において,旅客部門は原価以上に運賃を課し,貨物部門では原価を割って運賃を課し,旅客部門の超過利潤で貨物の赤字を埋めている場合,「旅客は貨物を内部補助している」という。

 

引用:内部相互補助(ないぶそうごほじょ)とは - コトバンク

 病院の食堂が味が良くても、患者が増える訳ではなく、家族や関係者の出入りは一定数期待できるため、味にコストをかける必要はなく、サービスの追求もほとんどされることはないという。一方で、カジノであればレストラン目当ての客を望むことができ、レストランのクオリティが高ければ、カジノの方も利益を出すことが出来る。故に、病院よりもカジノの方がレストラン(食堂)の味のクオリティが高いことが多いという。

 

 どこにコストがかかっており、どこに原価以上もしくは原価ぎりぎりのサービスを提供しているかという観点からも、互内部補助を気にすることによって、良いレストランを見つけるヒントがあるだろう。

 

 

2:賃金の高い客層が近くにいる賃料の安い地区を探し出す

 賃料はレストランにとって、当然のことながらコストになる。このコストは料理・ドリンク・チャージ料によってまかなわれる。コストが価格へと反映されるため、賃料の安い地区のレストランを選ぶことは合理的である。

 

 また裕福な客層は要求水準も高く、それらを狙ったレストランへ行くことで低コストで高パフォーマンスが期待できるレストランを選ぶことが出来る可能性が高いという。

 それだけでなく、例えば他の客で割高なドリンクなどを頼む人達が多ければ、割高である酒を飲まない美食家達は比較的低コストで高いサービスを受けることができる。

 

美食家タイプにとって、金持ちと近視眼的な人々は、友であり支援者でもある

 

 とあるように、他の客が利益が出やすい商品を買えば買う程、美食家たちはコストが低く、高水準のサービスにありつける。(レストランが利益を還元すればだが)

 

人口密集度の高い日本では簡単に応用できないが・・・

 ただ、これはアメリカの経済学者がいうことであり、人口密集度が高い日本において、すべて応用できる訳ではないだろう。東京であれば賃料が安いといっても、他の地域と比較するとやはり高水準であるため、東京の賃料の地域差はそれほど無いかもしれない。

地方のはずれのレストランは狙い目?

 しかし、都市圏以外の地域には当てはまるだろう。例えば、観光地の少し外れにあるようなレストランは狙い目かも知れない。

 例えば、現在の食べログで全国2位の「柳家」は市街地から車で30分以上かかる場所にあるという。

 サプライズ効果もあるだろうが、賃料やその他が市街地に比べると低く、価格に転嫁されにくい点からも、CPが良いのかも知れない。

 

 

3:食にプライドを持っている人々に聞く

 人に聞くのは、美味しいレストランへの一番の近道かも知れない。この本では具体的にどのような人々が有益な情報を持っているかを記載している。

 

有益な情報を持っている人々とは?

  1. 35歳から55歳の人
  2. 金銭的にに余裕のあるひとか、中流階級の人
  3. 安くて美味しい地元の店に関しては、消防士に聞く
  4. タクシーの運転手・地域のセールスマンも有力な情報源である

 この具体性が面白い。確かに、食に詳しい人は中年かそれ以上であり、上流階級の人々は高級店の利用が多いため、中流階級の人々に聞くのが良いだろう。それよりも面白いのが「消防士」という観点だ。確かに地元に密着しており、外食も勤務体系から多いだろう。この思いつきはなかった。美味しい居酒屋なども知っていそうだ。友人に消防士が多い人は、是非聞いてみて欲しい。

 

 

4:ネットでのレストランの検索方法は、発展させるキーワード

 例えば、群馬県で美味しいレストランを検索する時には「群馬県 美味しい レストラン」で検索するよりも、一歩進んだ検索が美味しいレストランを探すコツだと言う。

 

「美味しいレストラン」ではなく「美味しいキーマカレー」のように限定する

 具体的にはジャンルを区切ることが重要である。「群馬県 美味しい インド料理」の方がより精度が高く、より精度の高いのは「群馬県 美味しい ナン」といったように、ジャンル料理から具体的な料理名・材料名へと発展させたキーワードを入れる方法を推奨している。

 

 

5:高級レストランで何を注文すべきか?オススメの注文法

 事業で推測する、地域で推測する、誰に聞くか、ネットでどのように調べるか、を今まで記載したが、最後に「何を注文するのが良いか」を推奨していた。

  高級レストランで推奨されているのは、注意点はあるものの「見た目が悪いもの、未知のものを注文せよ」とのことであった。理由は高級レストランであれば、メニュー一品一品へのこだわりが特に強く、見た目が悪いものがメニューに入っていることから考えて、見た目は悪くても味に自信があると考えることができるという。また、未知のものは店主のこだわりが強く、これも味に期待ができる一品であることが多いというのだ。

 一般的に人気メニューはドリンクで利益を取らない場合の、利益確保メニューとなっていることも多いかもしれない。あまり人が選ばなそうなのにメニューにあるという点が美味しい料理への辿り着き方だという。

 

 

6:新規開業店へはいつ行くべきか?

 開店から4~6ヶ月以内に一度行ってみることを推奨している。新規店であれば、開店当初はオーナー自ら料理をすることが多く、開店すぐに行くことでクオリティの高い料理に辿り着くことが出来るという。

 ただし、 最初の2週間は厨房の手順調整などが行われるので避けることを推奨している。開店2週間以上で6ヶ月以内の新店は期待できるという。

 

<今回紹介した本はこちらです>

エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学

エコノミストの昼ごはん――コーエン教授のグルメ経済学

 

 

 

<こちらも同書についての記事です。一度見ていただけると嬉しいです>