会社員のための雑学ハック

Web・末端会社員としての働き方・経済・文化等、「半径3m以内の事」を考えるブログです。ー雑学:多方面にわたるまとまりのない知識や学問。また、学問とは関係のない雑多な知識。

大学生にオススメしたいアルバイトは「現場仕事」である

現場仕事のアルバイトのメリットと感じたことを記載したい

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その前に、この記事はN数が1であるため統計学的に有意な意見ではない。

 私は現在会社員で、これまでのアルバイト歴はコンビニ、個人経営の居酒屋、ファストフード店、清掃の現場仕事、リフォームの現場手伝い、水商売の裏方、学童保育の指導員の手伝い、個人経営の塾の塾講師、個人経営のカフェ等である。

 多いように見えるかも知れない。これはスキルアップを目指したちきりん型アルバイトの選択ではなく、単純に「明日から来なくていい」と言われた経験が多かったことに起因するものである。私は仕事が出来ない。

 

 私の完全な私見であるため、役に立たない(汎用性が無い)点も多いだろう。ただ、雇用状況や自殺率などを見ると、実はこのアルバイトの選択によって各人の考え方に違いが出てくるのではないかと思ったため、このような記事を書いてみたい。一番長かったのが現場仕事のアルバイトであった。またココでの現場仕事は清掃とリフォームのことを示している。一般的にいうと建設等がイメージされるがご容赦願いたい。

 

 

大学生に人気のアルバイトはどうなっているか?

ここは飛ばしていただいて構わない。

 

 2015年の大学生の調査、Investigation | ブラック企業対策プロジェクトによると、大学生が今までに経験したアルバイトは、チェーンの飲食店(29,3%)、居酒屋(18.7%)、学習塾・家庭教師(15.6%)、小売り(15.5%)と続く。

 およそ、聞いている実感としても頷けるデータである。これらが人気なのは、みんながやっている(紹介であったり)、よく利用しているなどであろう。

 もちろん、人気のこれらのアルバイトも面白いとは思う。何を目的にするかでおすすめしたいアルバイトは様々であるが、例えば異性との交流であればチェーンの飲食店、ファストフード店などでは出会いが多いという話を聞いている。学習塾や家庭教師でも出会えるかも知れないが、犯罪になるのでオススメしない。

 

 

会社員は何に悩んでいるのか?なぜ自殺してしまうのか?

アルバイトの話ではないのでここは飛ばしていただいて構わない。

 

 大学生の中では会社員に将来なる人が確率的に多いだろう。彼らは何に悩んでいるのかを調べてみた。 

 内閣府の調査によると、平成26年度中における被雇用人の自殺の原因は、健康問題(2376人)、勤務問題(1902人)、経済・生活問題(1280人)、家庭問題(1062人)、男女関係、その他と健康問題での自殺が最も多く、その後は勤務問題や経済・生活問題と続く。

 健康問題を苦にした自殺では、自分がどのように考えているかは他と比べてあまり影響を与えないかも知れないが、勤務問題や経済問題については、どのようにキャリアを選んで、どのように考えて勤務するかが非常に影響を及ぼすものであると思う。

 

 

バイトで現場仕事することのメリットと注意点について

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 正直に言って、アルバイトの経験が会社員になった今の勤務姿勢や仕事への考え方に影響を与えることになるとは思っていなかった。学生時代のアルバイトは単純にお金を稼ぐ手段でしかないと思っていたし、どれくらいの時間・労力でどれくらいのリターンがあるか、それが効率的であるかとしか考えていなかった。

 しかし、今になってみるとアルバイトで考えたこと、実感したことは正社員となった今でも変わらずに持ち続けている。そんな中、一番大きな影響を与えたのは「現場での仕事」ではないかと思う。 

 

一番大きな、現場仕事のメリット「自信がつく」

 自分自身に自信がつくと言う訳ではない。経済的な自分の潜在能力に自信がつくのだ。様々な現場仕事があるが、「体がうごかせて」「一定の学習能力があり」「日本語を喋れる」ということだけでも、金を稼ぐことが出来ると気がついた。自信がどの部分でついたのかの詳細を3つ書く。

 

体が動かせれば金になる

 下品な言い方で体は金になるのだ。例えば清掃のバイトであれば体を動かすことが出来れば、こなせる作業が多い。

 すべてを行うには特殊なスキルが必要であるが、床の洗浄機が使えなくても、細かい箇所は手で拭き取りやブラッシングを行う必要があるし、天井や機械などは手作業が必須となるケースが多々ある。

 「誰でも出来る」というのは横暴な言い方であるが、サブとしてのポディションであれば、私はそのように感じた。

 

現場仕事に必要な学習能力

 大学まで行っているので学習は行っているだろう。ただ、体を使うという点においては知識だけでなく経験も大きな学習要素となってくる。この点は現場仕事が長い人には勝てない点であるが、例えばリフォームであれば同じような作業を場所を変えて行うことが多く、1回型を覚えることで応用することが出来る。数学の様な作業だと感じた。結構難しいことも多いのだが、実感としては数1Aクラスの学習能力があれば行える作業の幅がぐっと広がると思う。

 

 実際に現場仕事に入ってみると周りの作業員達は大卒で無い場合が多い(学歴差別的な言い方になってしまうが事実だ)。しかし、学習能力といった点においては、私は大学の同級生達とひけをとらないと感じたし、「経験で覚える」スキルが高く、その点ではかなわないと単純に思った。勉強をしてこなかったからと言って、一概に頭が悪いとは言えないと改めて思った。この「経験(体)でまず、覚える」スキル習得にも現場仕事は役立つ。

 

日本語が喋れること

 現場仕事において、会社員に比べてコミュニケーションが必要でない場面も多いと感じた。作業内容の確認の後は黙々と作業して、昼ご飯休憩をはさみ(現場仕事では急いでいても休憩だけは必ず取る点が面白い)、また作業に戻ってと喋らない現場も多々あった。

 

 しかし、一方でお客さんや同僚と話し合いながら進めていくケースもあった。

 首都圏の清掃・リフォームを手がける個人事業主の元でアルバイトをしていたのだが、数年前から外国人労働者の参入により、大手から順に価格を下げ始めたという話があった。業界では前々から予期されていたことであるという話であったが。

 そこで必要になるのが「不自由無く日本語が話せる」スキルである。お客さんの突然の訪問や急な要望等は現場仕事ではよくあった。そこで必要なのが、日本語が不自由無く(お客さんに不安にさせない程度には)使えて、マナーが分かっている人間である。

 

 これから現場仕事は価格の面で落ち込んで行くかもしれない。ただ、「日本語がしっかりと喋れて不文律が分かっている」だけでも、価値になることを学んだ。

 

誰でも出来るのではないかと思っていたことが金になると学んだ

 一言でいうと、これだ。「意外と誰でも出来ると思っている」ことが、企業向けの大きなサービスでなくても、1日1人あたり1万以上の仕事になるという実感を得た。

  実はこのことは非常に自信になっている。

 

 

その他メリット「多くの現場を経験する」「怒られる経験」「理不尽な要求」など

 他で感じたメリットを列挙してみたい。

 どのバイトでも言えることであるが、特殊な経験が出来る。個人事業主で何でも屋だったため、害虫駆除から謎のもの運び、1日の大半が待機時間など、運転手など様々な経験をした。配線業者や鳶の方など、そこで話した人の数は多く、これまでにない人達との出会いがあった。良いものばかりではもちろんないが。

 

 学生の本分は学習にあるという。ただ、現場作業の場合、体を使うという違ったアプローチの学習が必要である。今まで習ってきたことは役に立たないことの方が多い。つまり、使えない人間になる。すると、怒られる。命の危険という面もあるしBtoCであれば、即損害賠償などということもあって、ミスをすれば怒られる経験が多くなる。下請けのため、お客さんからは理不尽な要求も多い。しかし、これは良いことでもあったなと思うのだ。

 現場仕事の人々へは、私は偏見があった。それが取り除かれた。それだけでも現場作業をしていて良かったと思う。理不尽な要求については、会社員になってからの方が多いため、上司を殴らないという面においても有益であったと思う。

 

 あとは、タバコを室内で吸うと窓のサッシやコンセントカバーの裏側までヤニがつくからやめよう。とか、マジックリン最強説とか、この職種の人がガラが悪いんだとか分かったことも面白かった。

 

 

現場仕事で注意したい、いくつかのこと

 違法行為は絶対にやらない

 個人事業主の場合、法令遵守という意味ではわりと緩い人が多かった。地域の問題かも知れないが、飲酒運転で免許が使えない人や様々な問題を抱えた人など多くいた。それらの人々は強制するつもりはなくても、自分と同じことをしろという要求の中に違法行為であることがあった。

 これについては、アルバイトであってももちろん取り締まられるため、絶対に行わないという意見表明をする必要があった。「そういうことはやりません」というと「学生の坊ちゃんが」等の言葉を投げかけられたが、「退学になると罰金がかかって、借金がスゴくなるため」とか適当に言っておけばよいだろう。

 

ウラ社会との関わりを持たない

 具体的には言わない。通常、働いていれば問題はないだろう。かなり意外だったのだが、関係している方々は近くにいて普通に生活をしている。

 個人事業主の場合、このような方々との関係性は往々にして自ら話してくれることが多いため、先に聞いておいて「気になる」と言っておいて現場の日程を先に把握して、その日は欠席するなどの手段を取っていた。この法律の元であれば関わらないのが良いと思う。

 

 

出来るかぎり小さい事業主を見つける

 ここが一番難しい所であるが、「自分にも出来るのではないか」という自信をつけるという観点から見た場合、小さい現場仕事が一番最適である。

 

 ただ、これらは見つけにくい。アルバイト募集の媒体には発表していない需要が多くあるため、自分で探す必要がある。

 私の場合では、車に轢かれていた人が社長だったという出会いであったが、再現性は限りなく低い。紹介という面であれば先輩や知り合いなどや、居酒屋などでのバイトをまずしてみて、お客さんにバイトを変えたいと相談しておくことが一番効率的ではないかと思う。

 インターネットに出てこないアルバイト募集にこそ、面白いバイトは眠っている。

 

まとめ:次の選択肢を考える点において「現場仕事」は有益

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 なぜこの記事を書いたかを記載したい。

 

 ブラック企業や経済苦などを理由にした自殺や心の病は多く報道されている。すべてが救われるとはもちろん思わない。労働環境の悪化にも関わらず、抜け出せなくなることは往々にしてある。

 

 ただ、現在の労働環境が経済的な意味での自立のために選ばれたものであるとするならば、現場作業は「会社員でなくても食って行ける」という自信につながるものであると考えている。

 

苦しまない為の現場仕事での経験は有用

 仕事歴の浅い人材は市場価値が低い、特殊なスキルが必要でなければ転職、求職は難しいと言われている。そんなこと全くないと思っている。コンサルタントの脅しだ。

 私はこの経験を元に、体が動かせて、一定の学習能力があって、日本語が話せれば、食べていくのには困らないのではないかと思っている。もちろん現場仕事も非常に大変そうだし、卑下している訳ではない。知識集約型から体力仕事へと求められるスキルが違う環境での選択肢も持っておいて損はないだろう。選択肢がいくつもあれば、悩みは深刻化を防げるかもしれない。

 

 環境が変化していくなかでは甘い考えかも知れないが、仕事や労働環境に対する経済生活で困っている人にとって「次の選択肢としての現場仕事」という考え方を持つ為にも、大学生のうちに現場仕事はオススメできるアルバイトであると考えている。会社勤めが嫌だったらすぐやめてしまって、規模は小さいが確実にニーズのある事業を行ってみようかと思えれば強いだろう。

 

 現に現場仕事の方々は幸せそうな人も多い(ただ、みんな恐妻家なのはなんでだろう)

 

 長く働けていないことやスキルが身に付いていないことなどで悲しむ必要は全くなくて、生きているだけで価値になると思っている。その考えは現場でのアルバイトの経験によるところが大きい。この考え方が広まれば、もしかしたら自殺を減らせるのではないかと奢った言い方だが、思うのだ。