「炎上」を心配して、お笑い番組・バラエティで笑えなくなってきた
ネットのせいで「バラエティ」で毒のあるネタで笑えなくなってきた
最近、特に思うことだが「ネット炎上」の影響が「テレビ視聴者」まで及んでいるのではないか。
尖ったコント・漫才が好きだ
詳しくはないが、お笑い番組が好きで賞レース等は見るようにしている。YouTubeでアップされているお笑い芸人のネタはやはり面白いものが多く、一人で酒を飲みながらよく見てる。
風刺の効いた漫才や、ブラックユーモアの入ったコントが好きで、芸人を追っていて全国放送で放映されると応援がてら欠かさずみるようにしている。
ネットとお笑い番組の親和性
テレビに出ている人物で炎上しやすいのは、芸人・コメンテーター・政治家などの主張が激しい人々だ。特にテレビ番組・ライブの宣伝を行うといった点でTwitterをやっている芸人は多い。
Twitterで炎上する芸人は多く、発言は同じでもテレビだと編集が入って毒抜きされるが、SNSでは無編集な場合が多く、波紋を呼ぶことが多いのだろうと思っている。
もてはやされた芸人への風当たりは時に強く、人格否定に及ぶことも多い。一視聴者としては、応援していた芸人が炎上すると単純に悲しい。(芸人と嫉妬については福満しげゆき先生の漫画をお読みください。)
なぜお笑い芸人は炎上するのか
発言力の強さと人気があることへの嫉妬等もあり、油まみれの芸人のネット環境だが、度々炎上するお笑い芸人を見る度に、ネタは面白いんだから炎上を避ければいいのにと思っている。
ある会社員の話し「傍から見て笑えない着火の瞬間」
少し、話題を変えて違う話しをしたい。
先月、酒の席で、ある若手会社員がベテラン会社員向かって「社内結婚する人はおかしい」と発言した。「社内結婚のメリットは、当人同士にとって無い」「相手を仕事場で選ぶのはモテない男の証だ」「結婚しても同じ会社に居る人は何を考えているのか」と思いつきであった話を酔った勢いで熱弁した。
周りの会社員は、それをひやひやして見ていた。なぜならそのベテラン社員は社内結婚であり、経理にその妻が居たからである。
若手会社員とは私なのだが、このようにこの後、炎上する・怒られることが目に見えている状態だと後から聞けば笑える話であっても「炎上を心配して笑えない」気持ちが強くなることは往々にしてある。
「めちゃイケ」でなぜ笑えなくなったのか。ネットと勝負する「めちゃイケ」
めちゃイケのすべての回で笑えなくなった訳ではない。先日、放送された13日放送の「めちゃ×2イケてるッ!秋のSP 」では、「炎上」した芸能人が抜き打ちテストをするという企画であった。
ネットだけでなくワイドショーでも幾度となく取り上げられていた芸能人たちによる抜き打ち学力テストの結果であったが、解答が今ひとつだったことの他に、「ネット炎上を意識した番組作りが目に見えすぎていた」点で、私は笑うことができなかった。
疑ってかかる見方かも知れないが、他の人とは思考回路が違う人に対して笑っていたら、その人が「自分は面白いんだ」と思ってしまい「自分の考える面白さ」を表現し始めたときのような(自称ネット芸人のような)、「ほら、おまえらの大好きな人達だぞー」というような、「自称、面白人間による面白ショー」を見せられているような気がしてならなかった。
ネット炎上の有名人だったら、mixiとかAppBankとかの方が...
「炎上してしまう」ことへの心配で笑えない
今回のめちゃイケSPでは見せ方の問題と、もう一つの問題で笑えなかった。それは、「炎上してしまうのではないかという心配」である。私はめちゃイケを応援している。それは青春時代の思いでとしても入っているけど。
めちゃイケのスペシャルだけではない、尖ったコントでも漫才でも特定の人物への批判や風刺を見る度に、「それネットで炎上してしまうのでは....」と思うことが増えてきた。
特に好きな芸人であればなおさら心配が強く、干されないだろうか、とかめちゃイケは山本復帰の前に終わってしまうのでは等で心配になる。
利用者が増えて行くにつれネットの影響は気にしないことが出来ないほど大きくなってきている。また「同時に」「非常に多くの人に見られている」テレビというデバイスは、瞬間風速の大きい炎上になる可能性が高く、絶えず炎上の危険がつきまとう。
ネットでの炎上がニュースの度に視聴者は「炎上へのリテラシー」は上がっていく。私も含め、視聴者はテレビ視聴者であることも多い。
そのことが視聴者にとっても「炎上の危険察知」をしてしまい、後のことを考えてしまい、笑えないことにつながっているのでは無いかと今回のめちゃイケSPを見て思った。
ただ、炎上への察知能力の高まりが悪いことではないし、そもそも、そのような形で笑いを取るなという考えも正しいと思うんだよなー。